■【2016年9月新刊】「ふくしま讃歌ー日本の「宝」を訪ねて」
福島各地に伝わる歌枕、祭や伝統芸能、手仕事、丁寧な暮らし――震災後に訪ね歩いた「福島民報」連載の紀行文を満を持して纏める。
ふくしま讃歌―日本の「宝」を訪ねて
著者/訳者:黛まどか
出版社: 新日本出版社 (2016/9/17)
単行本: 208ページ
ISBN-10: 4406060472
ISBN-13: 978-4406060479
■福島民報「ふくしまを詠む 黛まどかの俳句紀行」
黛が福島県内を巡り、風土や人情を俳句と紀行文で紹介します。心に染みる風景や人々との出会いを言葉で紡ぎ、さまざまな「 ふくしま」を詠み上げます。
福島民報「生活」面に不定期掲載中です。
■「そして、春~福島から世界へ」
作詞:黛まどか 作曲:千住 明
2012年3月30日
愛知県芸術劇場大ホール
指揮:千住 明
歌唱:愛知高校グリークラブ
「そして、春~福島から世界へ」に込めた想い
東日本大震災と
それに伴う原発事故のため
福島にくらす多くの人々が
今なお避難生活を余儀なくされています
福島は自然に恵まれた豊かな地です
そんな福島の四季折々の風景を
象徴的な山河と共に描きました
緑滴る夏の阿武隈山嶺
鮭が遡上する秋の木戸川、請戸川
星が冴える冬の海
そして、桜が咲き誇る春
日本人は古来自然と共にあり
どんな時でも自然を尊び
心を寄せて生きてきました
天災に遭った後も、日々のくらしの中で
山彦(山の神)・海彦(海の神)を敬い
自然を愛で続け
その信頼は少しも揺らいでいません
歌を口遊むと
眼裏にふるさとの四季が甦り
離散している人々の心が一つになるような
歌にしたいと思いました
また震災以降
フクシマ=原発事故
というイメージが
世界中に広がってしまいましたが
福島本来の美しさ豊かさを
歌を通して知ってほしいという
願いを込めました
黛まどか
<歌 詞>
~夏~
振り向けば、いつでもそこで、見守ってくれていた
阿武隈の山々、頂き指せば、風薫る
呼べば応えて背中を押した、山彦を心に
帰ろう、ふるさとへ、たたなずく青垣に
帰ろう、家路を、我が家の灯に
~秋~
目つむれば、微笑む父母、導いてくれていた
木戸川、請戸(うけど)川、飛沫を上げて、鮭が帰る
いつも黙って迎えてくれた、秋の日のように
伝えよう、思いを、言の葉に載せながら
伝えよう、ありがとうと、いまなら言えるはず
~冬~
寂しくて、海を訪(おとな)えば、潮騒に抱かれた
小名浜、小良(おら)が浜、ひしめく星の冴えわたり
夜更けて黙(もだ)を深くしてゆく、海彦を交えて
語ろう、浜風に、泪流れるままに
語ろう、友垣と、竹馬の友垣と
~春~
見上げれば、ひとひらの桜(はな)が、頬に触れては落ちた
福島の春よ、父祖が築いた永久の地よ
手を携えて、道なき道を、標なき道を
歩こう、明日へ、灯を消さぬよう
つくろう、この手で、再びのふるさとを、まほろばの福島を
叫ぼう、世界へ、福島から世界へ
つくろう、皆共に、美しい世界を、美しい世界を、世界を